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浄土真宗(じょうどしんしゅう)

鎌倉時代初期の1224年(元仁元年)頃に親鸞聖人(しんらんしょうにん)によって開かれた大乗仏教の宗派です。一般には「真宗(しんしゅう)」とも呼ばれ、現在の日本では最も多くの信徒(門徒)を持つ最大の仏教宗派の一つです。
法然の教えを親鸞が継承し発展させる。
師である法然上人の「浄土宗」の教えをさらに発展させ、「他力本願」の本質を徹底的に突き詰めた点に大きな特徴があります。
●特徴
浄土真宗には、他の仏教宗派と比べて特徴的なところがあります。
阿弥陀仏の「他力本願」による救済(特に「悪人」を救うという「悪人正機説」)を信じ、阿弥陀仏が人々に与えてくださる「他力」の信心を頂いて「南無阿弥陀仏(なもあみだぶつ)」と念仏を称え、極楽浄土に往生することを教義としています。
人が求めなくとも阿弥陀様が救って下さる、いずれ仏になることが約束されているから、改めて修行する必要はないという教え。
  • 阿弥陀仏の本願を信じる
  • 念仏「南無阿弥陀仏」を称える :自分の修行や善行を積んで救いを得ることを中心にしない
  • 「他力」の信心を重視する
  • 出家して厳しい修行をする僧侶だけでなく、在家の生活を送りながら信仰することを重視
    親鸞自身が結婚し、子どもを持ったことも大きな特徴
  • 位牌や般若心経を使わない:霊魂の追善供養という考えをとらないため、戒名ではなく「法名」を用い、般若心経の読誦や般若心経を書き写す写経も行いません。
    他の仏教宗派と異なり、位牌を必要とせず、線香を寝かせて供え、焼香(額にいただくこと)をしないなど、独特の作法があります。
このため、浄土真宗では歴史的に僧侶が妻帯・肉食することが一般化しています。
  • 師父: 法然上人(浄土宗の開祖)
  • 開祖:親鸞(見真大師)(1173年 - 1262年)
  • 本尊:阿弥陀如来(あみだにょらい)
  • 立教開宗の年: 1224年(『教行信証』執筆の年とされる)『教行信証(きょうぎょうしんしょう)』を制作し、他力本願の教えを明らかにした時を立教開宗(りっきょうかいしゅう)としています。
お題目
南無阿弥陀仏(なもあみだぶつ・なむあみだぶつ) :「阿弥陀仏に帰依いたします、すべてを委ねます」という意味の仏教の言葉で、特に浄土宗や浄土真宗などで唱えられる念仏の中心的表現です。
サンスクリット語の「ナマス(帰依する)」と「アミターバ(無量の光明)」「アミターユス(無量の寿命)」を音写したもので、阿弥陀仏の計り知れない光といのちの働きに心を寄せ、阿弥陀仏の救いを信じることを表明します。
南無(なむ):サンスクリット語の「ナマス(namas)」の音写語で、「礼拝」「帰依する」「お任せする」といった意味があります。
阿弥陀(あみだ):阿弥陀仏の略称であり、サンスクリット語の「アミターバ(無量の光)」と「アミターユス(無量の寿命)」に由来し、「はかりしれない光と命」を持つ仏さまを表します。
仏(ぶつ):サンスクリット語の「ブッダ(buddha)」の音写語で、「仏さま」を意味します。

浄土宗と浄土真宗は、どちらも法然を開祖とする浄土系仏教の一派ですが、教えや儀式に違いがあります。
浄土宗は「念仏を唱えれば極楽浄土に往生できる」と説くのに対し、浄土真宗は「阿弥陀仏を信じるだけで往生できる」と説きます。また、浄土真宗は「他力本願」を重視し、自力で救いを求めることを否定する点が特徴です。

関連

  • 日本の主要宗派:総本山・大本山一覧
  • 教行信証(きょうぎょうしんしょう、正式名称:『顕浄土真実教行証文類』)は、鎌倉時代の僧・親鸞聖人(1173-1262)が52歳頃に書き始めた、浄土真宗の根本聖典(根本聖典)です。全6巻から成り、阿弥陀仏の「他力本願」に基づく救いと、念仏の真実を体系的にまとめた、宗派における最重要の書物です。
  • 真宗十派
    浄土真宗は多くの宗派に分かれていますが、その中でも最大のものが東本願寺を本山とする東が真宗大谷派と西本願寺を本山とする西は本願寺派です。
  • 歎異抄(たんにしょう)は、鎌倉時代に親鸞聖人の弟子・唯円(ゆいえん)が、師の死後に広まった誤った教え(異義)を嘆き、真意を伝えた浄土真宗の書物です。全18章で構成され、前半は親鸞の言葉、後半は異説への批判が記されています。「善人なおもて往生をとぐ、いわんや悪人をや」に代表される、自力(自己の努力)を捨てて阿弥陀仏の他力にすがる「悪人正機」の教えが説かれています。
  • 正信偈(しょうしんげ)は、浄土真宗の開祖である親鸞聖人(しんらんしょうにん)が著した言葉で、正しくは『正信念仏偈(しょうしんねんぶつげ)』といいます。
    浄土真宗の主著である『教行信証(きょうぎょうしんしょう)』の「行巻」の最後に収められている120行(60句・120句の七言偈文)の漢詩で、毎日の勤行(朝夕のお勤め)や法事などで最も親しく唱えられている偈文(お経のような詩文)です。
    正信偈は、大きく分けて2つの部分で構成されています。
    • 依(依拠の表明)と阿弥陀仏の讃嘆(前半)
      冒頭の「帰命無量寿如来 南無不可思議光」から始まります。 親鸞自身が阿弥陀如来(無量寿如来・不可思議光如来)に誓って救いを求める(帰命する)気持ちを表し、阿弥陀仏がどのような本願を立て、どのように生きとしかけるものを救うのかを称讃しています。
    • インド・中国・日本の「七高僧」の教えの継承(後半)
      浄土の教えを正しく受け継ぎ、後世に伝えてくれた歴史上の7人の高僧(龍樹・天親・曇鸞・道綽・善導・源信・源空/法然)の業績と教えを順番に讃えています。
  • 和讃(わさん)とは、仏や菩薩の徳、あるいはお経の教えや高僧の功績を、日本語(和語)でほめて称える讃歌(歌謡)のことです。 漢文で記された伝統的な経典(梵唄・伽陀など)とは異なり、一般の庶民にも仏教の教えがわかりやすく伝わるように作られました。
    • 七五調の形式 :和讃の多くは「七・五・七・五」の4句(計24字)を1首とする定型詩の形式で作られています。リズムが良いため、節(ふし)をつけて声を出して唱えたり、唱導(教えを広めること)に用いられました。
    • 日本語(かな文)によるわかりやすさ :難解な漢文経典ではなく、日常的な日本語や平仮名を用いて書かれているため、民衆が親しみやすく教理を理解しやすい構造になっています。
    • 浄土真宗における重要性 :平安時代から作られていましたが、特に親鸞(しんらん)が多くの和讃を著したことで知られています。浄土真宗では、日々の勤行(お勤め)で『正信偈』などの後に和讃を唱えるのが一般的です。
  • 速疾往生(そくしつおうじょう)とは、阿弥陀仏の誓願(他力)の働きによって、遠回り(幾劫もの修行)をすることなく、すみやかに極楽浄土へ往生して悟りを開くことを意味する仏教用語です。
    主に浄土真宗をはじめとする浄土門の教えにおいて重要視される言葉です。
    語義の分解
    ・速疾(そくしつ): 速やか(すみやか)で、極めて早いこと。
    ・往生(おうじょう): この世の命を終えた後、阿弥陀仏の極楽浄土へ生まれること。
    ・思想的な背景
    自力で厳しい修行(難行)を積み、何世代もの生まれ変わり(劫)を経て悟りを目指す道(聖道門)に対し、阿弥陀仏の救いを信じてお念仏を唱える道(浄土門)は「易行道(いぎょうどう)」と呼ばれます。自力では到底救われない凡夫(迷い多き人間)であっても、阿弥陀仏の力(本願力)に乗じることで、直ちに・速やかに浄土に往生し、仏の悟りを得ることができるとされています。
  • ・ 浄土真宗本願寺派
    ・真宗大谷派
    ・真宗高田派
    ・真宗佛光寺派
    ・真宗興正派
    ・真宗木辺派
    ・真宗出雲路派
    ・真宗誠照寺派
    ・真宗三門徒派
    ・真宗山元派