浄土宗西山禅林寺派(じょうどしゅう せいざんぜんりんじは )
法然の死後、弟子たちによって分派し、現代では主に「鎮西(ちんぜい)派」(現在の宗教法人・
浄土宗)と「西山(せいざん)派」に大別されます。これに加え、さらに細かく西山三派(
西山浄土宗、
西山禅林寺派、
西山深草派)や、独立した「捨世派(しゃせいは)」などに細分化されています。
西山派(せいざんは)は、法然の弟子・
証空(西山上人)を派祖とする
浄土宗の一派。
証空の弟子である西谷(せいこく)流の浄音が、証空の教えの上に更に自らの考えをも交えて西谷流を唱えだし、
光明寺や
禅林寺(永観堂)を中心に西山義、西谷流の教えを広めました。
浄土宗西山禅林寺は証空を派祖とし、
西山四流の中で西谷流の流れを汲んでいます
開祖:
法然(円光大師)
本尊:
阿弥陀如来(みかえり阿弥陀)
総本山:
禅林寺 (永観堂)
即便往生・
当得往生を説き、
事相教旨としての
曼陀羅相承を最高の伝法としています。
念仏を称えることを中心とし、
阿弥陀仏の大慈悲に感謝し、日々の生活の中で喜びのお念仏を実践して人々と共に和合し、社会に貢献することを教えとしています。
経典:浄土三部経(仏説
無量寿経、仏説
無量寿経、仏説
阿弥陀経)。

浄土宗西山派との関係
法然の弟子である証空(しょうくう)が唱えた「西山義」を流れとする広義の西山派は、歴史の中で
光明寺派、禅林寺派、
深草派の三つに分かれ、それぞれが
西山浄土宗、
浄土宗西山禅林寺派、
浄土宗西山深草派と名乗っています。浄土宗西山禅林寺派は、そのうちの一つです。
掛軸を飾る場合、お仏壇の最上段中央にご本尊(
阿弥陀如来)を掛け、その両脇に「宗祖
法然上人」と「
善導大師」の掛軸(または仏像)をお祀りします。
- 証空(しょうくう、1177–1247)は、鎌倉前期の浄土宗の僧で、法然の弟子です。西山浄土宗(西山義)の祖であり、法然の教えを基盤としつつ天台的な解釈を取り入れた独自の「他力念仏」を説きました。西山往生院(京都市)を拠点に活動し、特に当麻曼荼羅の信仰を広めたことでも知られています。
- 西山四流(せいざんしりゅう)は、法然の弟子である証空(西山善導寺)によって形成された浄土宗西山派の4つの主要な流れ(系統)です。
西山浄土宗(総本山:光明寺)
浄土宗西山禅林寺派(総本山:永観堂禅林寺)
浄土宗西山深草派(総本山:誠照寺)
浄土宗長楽寺派(宗祖:長楽寺)
- 善導大師(ぜんどうだいし、613~681)は、中国・唐代に活躍した浄土教の傑出した高僧です。それまでの難解な修行中心の教えを転換し、誰もが「南無阿弥陀仏」と称える(称名念仏)ことで救われるという、阿弥陀仏の本願に基づく他力の教えを確立・大成しました。日本の浄土教、特に法然上人は彼を師と仰ぎ、浄土真宗の親鸞聖人も七高僧の第五祖として深く尊崇しました。
- 即便往生(そくべんおうじょう)とは、浄土教、特に西山浄土宗において、生きている現世(平生)で信心を得た瞬間に、直ちに極楽浄土への往生が定まることを指します。臨終を待たずに救いが確定するという、「平生業成(へいぜいごうじょう)」の考え方に基づいています。
- 当得往生(とうとくおうじょう)とは、浄土教において「命を終える時に、阿弥陀仏の迎えによって直ちに極楽浄土へ往生すること」を指します。平生(生きている時)の信心により、臨終と同時に確実な往生が決まることを意味する教えです。
- 事相教旨(じそうきょうし)とは、密教(真言宗など)において、教えの実践・儀礼的な側面である「事相(じそう)」に関する、修行の具体的な手順、方法、その奥義を伝える「教旨(教えの旨・本質)」のことです。
- 曼陀羅相承(まんだらそうじょう)は、主に浄土宗西山派(西山浄土宗)で伝えられる、當麻寺(たいまでら)の「当麻曼陀羅」を用いて教義を伝える特別な相承です。証空(西山上人)が当麻曼陀羅の極楽浄土の図象に『観無量寿経』の真髄を見出し、その拝み方や解釈(絵解き)を弟子に伝えたことに由来します。
- 禅林寺 (永観堂)・京都府