泉山 泉涌寺(せんざん せんにゅうじ)・真言宗泉涌寺派の総本山。
皇室とのゆかりが非常に深く、古くから「御寺(みてら)」と呼ばれています。
鎌倉時代の四条天皇(1242年崩御)をはじめ、江戸時代の後水尾天皇から幕末の孝明天皇に至るまで、歴代の天皇や皇族の葬儀・法要がこの寺で行われました。
境内奥には歴代天皇の陵墓(月輪陵など)があり、現在でも朝夕に歴代天皇・皇后の冥福と国家の安泰を祈る法要が勤められています。
皇室の菩提寺「御寺(みてら)」としての泉涌寺 泉涌寺が特別視される最大の理由は、 歴代天皇の葬儀を一手に担い、境内に天皇陵が集中していること。
四条天皇陵 後堀河天皇陵 後光厳天皇以降の歴代天皇・皇后の陵墓 合計:25陵・5灰塚・9墓が境内に集中 これほど天皇陵が集まる寺院は日本で泉涌寺のみであり、 そのため 「御寺(みてら)」=皇室の御香華院 と呼ばれます。
名前の由来:鎌倉時代の建保6年(1218年)、学僧・俊芿(しゅんじょう/月輪大師)が大伽藍を造営した際、境内の地から清らかな霊泉(清水)が湧き出たことから「泉涌寺」と名付けられました。
宋風(中国風)の文化と四宗兼学:俊芿は12年間にわたり宋(中国)へ渡って修行したため、建築や仏像に宋風の様式が色濃く取り入れられました。創建当時は真言密教だけでなく、天台・律・禅・浄土を併せて学ぶ「四宗兼学(または五宗兼学)」の道場でした。明治時代以降に真言宗一派の総本山となっています。
境内の見どころ
・楊貴妃観音堂(ようきひかんのんどう)唐の楊貴妃をモデルにして作られたと伝わる南宋時代の観音菩薩坐像(重要文化財)が安置されています。その美しさから美人祈願や良縁成就の観音様として親しまれています。
・仏殿(重要文化財):1668年(江戸時代)に徳川家綱の援助により再建された建物で、天井には狩野探幽による「蟠龍図」が描かれています。本尊として釈迦・阿弥陀・弥勒の「三世仏」が祀られています。
・霊明殿(れいめいでん)歴代天皇・皇后の位牌(尊牌)が安置されている最も神聖な御堂です。現在の建物は明治17年に宮内省によって再建されました。
・御座所(ござしょ)皇室の方々がお参りの際に休憩されるための建物で、京都御所から移築された御殿と格式高い回遊式庭園があります。