天龍八部衆てんりゅうはちぶしゅう
天龍八部衆(てんりゅうはちぶしゅう)は、
釈迦如来の教え(仏法)を守護する8種類の神々(護法善神)の総称です。元は古代インドの神々や鬼神でしたが、
釈迦の説法に帰依した存在。
天龍八部衆のメンバー主に『
法華経』や『
金光明経』に基づき、以下の8種で構成されます。
- 天(てん):欲界・色界・無色界を主宰する神々
毘沙門天|四天王|弁才天|勧喜天(聖天)|深沙大将|帝釈天|火天|羅刹天|水天|風天|伊舎那天|梵天|地天|日天|月天|迦楼羅|吉祥天|鳩摩羅天|十二神将|善女龍王 |大黒天 |摩利支天
- 龍(りゅう):降雨を司る蛇神(ナーガ)
八大龍王(はちだいりゅうおう)は、仏教の守護神である「天龍八部衆」に属する、最も力を持つ8体の龍の王。主に法華経に基づき仏法を守護し、水を司るため雨乞いや漁業の神として信仰され、勝負事や夢の達成といったご利益でも知られる。
- 難陀(なんだ)-喜びや歓喜を意味する言葉
- 跋難陀(ばつなんだ)-慈雨を降らせる雨乞いの神
- 沙迦羅(しゃがら) - 娑羯羅とも。海を支配し水を司る
- 和修吉(わしゅきつ) - 和修吉とも。毒の力で世界を滅ぼすほどの強力な蛇神
- 徳叉迦(とくしゃか)-強い毒を持ち、視線で人を殺す(視毒)といわれる強力な蛇神(ナーガ)で、転じて仏法守護の神
- 阿那婆達多(あなばだった) - 阿那娑達多とも。水を司る神として、雨乞いや大漁祈願、心の迷いを晴らすご利益がある
- 摩那斯(まなし)-日照りの際に7日間祈り続けると雨を降らせ、大地を潤す慈悲深い竜神
- 優鉢羅(うはつら) - 優鉢羅とも。清浄な青蓮華(ウハラカ)の池に住み、安らぎを与える水を司る龍神
その他の龍王・龍神分類
・四海龍王 :東・南・西・北の各海を統べる四兄弟(敖広、敖欽、敖閏、敖順)。
・五龍神 (五行思想):青龍(東)、赤龍(南)、白龍(西)、黒龍(北)、黄龍(中央)の5体。
・九頭龍(くずりゅう):9つの頭を持つ龍神。長野の戸隠神社や箱根の九頭龍神社などに祀られ、水を司る。
・倶利伽羅龍王 (くりからりゅうおう): 不動明王の三昧から現れたとされる剣に巻き付いた龍王。
・龍王龍行神 (りゅうおうりゅうぎょうしん): 千葉・本光寺に祀られる、漁業・水産業を見守る龍神。
・若陀龍王 (じゃくだりゅうおう): ゲーム『原神』などに登場する伝承の岩龍。
*神社では五行に基づく五色の龍(青・赤・白・黒・黄)や、四神の青竜なども龍神として信仰されています。
- 夜叉(やしゃ):悪鬼から護法神となった存在
- 乾闥婆(けんだつば):香を食べる、帝釈天の音楽神
- 阿修羅(あしゅら):闘争を司る戦闘神(アスラ)
- 迦楼羅(かるら):巨大な鳥(ガルダ)
- 緊那羅(きんなら):神聖な音楽を奏でる神
- 摩睺羅伽(まごらか):巨大な蛇や地龍
- 沙迦羅(しゃがら、沙竭羅、娑伽羅)は、仏法を守護する「八大龍王」の一尊で、大海に住み水を支配する龍神。『法華経』に登場する八歳の龍女の父としても知られ、雨乞いや海上の安全を守る信仰の対象です。別名として「大海龍王」や「沙迦羅」とも呼ばれます。
- 『金光明経』(こんこうみょうきょう)は、四天王をはじめとする諸天善神がこの経を護持する国を保護し、災難を消し去って繁栄をもたらすと説く大乗仏教の経典です。『法華経』『仁王般若経』と共に「護国三部経」の一つとして日本で特に重んじられ、奈良時代に聖武天皇が国分寺を建てる礎となりました。
- 仁王般若経(にんのうはんにゃきょう)は、仏教の「般若経」の一種で、釈尊が国王(16人の王)に向けて、国家の平和、災難の退散、護国を説いた2巻の大乗経典です。『法華経』『金光明経』と並ぶ「護国三部経」の1つとして、奈良時代から平安時代にかけて、災害除けの法会「仁王会」で読誦されてきました。
- 護国三部経(ごこくさんぶきょう)は、古代日本において国家の安泰や繁栄を祈る「鎮護国家」の思想に基づき、重要視された3つの仏教経典(『法華経』『仁王経』『金光明経』)の総称です。最澄がこの3つをまとめたとされ、主に奈良時代以降、仏教の力で国難(災害・疫病など)を避けようと読誦・講説されました。
- 乾闥婆(けんだつば)は、サンスクリット語「Gandharva」の音写で、帝釈天に仕えて香を食し、音楽を奏でる仏教の守護神(天竜八部衆の一)です。奈良・興福寺の八部衆像でも知られ、胎児や小児を守る神や、蜃気楼を指す「乾闥婆城」の語源としても有名です。
- 阿修羅(あしゅら)は、インド神話の魔神アスラが仏教に取り入れられた守護神。三面六臂(3つの顔と6本の腕)の姿で、八部衆の一尊として釈迦を守護する。元は闘争を好む鬼神(阿修羅道)であったが、仏教に帰依した。奈良・興福寺の、哀愁漂う表情の少年のような国宝「阿修羅像」が特に有名。
- 緊那羅(きんなら)は、インド神話・仏教における歌神・楽神で、帝釈天に仕える天竜八部衆の一尊。美しい歌声を持ち、歌舞で音楽を奏でる半神半人の存在とされる。別名「人非人」「疑人」とも呼ばれ、日本では主に馬頭人身や人頭鳥身の姿で描かれる、奈良・興福寺の八部衆像などが有名。
- 摩睺羅伽(まごらか、まごらが)は、サンスクリット語で「偉大なる蛇」を意味する「マホーラガ」の音写で、仏教を守護する天龍八部衆や二十八部衆の一つとされる人身蛇首の神。大地を這う蛇の精霊(地龍)に由来し、音楽を奏でる神としても知られる。