富士山世界遺産構成資産:神社 9社富士山世界文化遺産
富士山巡礼は、古くから富士山を神聖視する山岳信仰に基づいて行われてきました。麓から山頂にかけて、登山の安全祈願や信仰の拠点となる重要な神社や仏閣が多数鎮座しています。
- 富士山本宮浅間大社(静岡)
全国1300社の浅間神社の総本宮 富士山信仰の中心 南口(富士宮口)登山道の起点
- 山宮浅間神社(静岡)
富士山本宮浅間大社の前身社 本殿を持たず、富士山を直接拝む「遥拝所」形式 古代祭祀の姿を残す
- 村山浅間神社(静岡)
村山修験の本拠地 大日堂跡など修験道の中心施設が隣接 南口(村山口)登山道の起点
- 須山浅間神社(静岡)
須山口登山道の起点 近くに「須山御胎内(溶岩洞窟)」がある 修験道と富士講の両方が利用
- 北口本宮冨士浅間神社(山梨)
吉田口登山道の起点 富士講最大の拠点 御師住宅(旧外川家・小佐野家)と連動
- 河口浅間神社(山梨)
貞観噴火(864年)後の北麓鎮護のため創建 富士山の噴火鎮静を祈る神社 御室浅間神社と対をなす
- 冨士御室浅間神社(山梨)
最古の浅間社とされる伝承 河口湖畔の「下社」と山上の「上社」から成る 富士山の古代祭祀を伝える
- 須走浅間神社(山梨) (正式名:冨士浅間神社)
須走口登山道の起点 古くからの修験道ルート 富士講の参拝も多い
- 山中諏訪神社(山梨)
山中湖の守護神 富士山信仰と水の祭祀が結びつく 御内八海(山中湖)と連動する水神信仰
以下、世界遺産富士山とことんガイドから
- 富士山(富士山域)ふじさんいき
「信仰の対象」と「芸術の源泉」の価値を持つ、標高約1,500m以上の重要な地域に9件の構成要素が存在。
- 山頂の信仰遺跡群さんちょうのしんこういせきぐん
火口壁に沿って神社等の宗教関連施設が分布し、山頂部で宗教行為が体系化されたことを示しています。
- 大宮・村山口登山道(現 富士宮口登山道)おおみや・むらやまぐちとざんどう
富士山本宮浅間大社を起点とし、村山浅間神社を経て山頂南側に至る登山道。資産範囲は六合目以上です。
- 須山口登山道(現 御殿場口登山道)すやまぐちとざんどう
須山浅間神社を起点とし、山頂南東部に至る登山道。資産範囲は、登山道の上部と須山御胎内周辺です。
- 須走口登山道すばしりぐちとざんどう
冨士浅間神社を起点とし、八合目で吉田口登山道と合流し山頂東部に至る登山道。多くの道者に利用された。
- 吉田口登山道よしだぐちとざんどう
北口本宮冨士浅間神社を起点とし、山頂を目指す登山道。18世紀後半以降、最も多く利用されています。
- 北口本宮冨士浅間神社きたぐちほんぐうふじせんげんじんじゃ
浅間大神が祀られていた遙拝所を起源とし、1480年には鳥居を建立。富士講とのつながりが強いとされる。
- 西湖さいこ
堰止湖「せの海」に9世紀の噴火で溶岩が流れ込んでできた湖。西側に青木ヶ原の樹海や溶岩洞窟がある。
- 精進湖しょうじこ
西湖同様、9世紀の噴火で溶岩が流れ込んでできた。富士五湖で最小の湖で、逆さ富士を美しく映します。
- 本栖湖もとすこ
富士山との構図が美しく、芸術作品のテーマになることが多く、紙幣の図案にも採用されています。
- 御師住宅(旧外川家住宅)おしじゅうたく(きゅうとがわけじゅうたく)
富士講信者が登拝を行う際、宿や食事などの世話をした御師の家。旧外川家の母屋は1768年のもの。
- 御師住宅(小佐野家住宅)おしじゅうたく(おさのけじゅうたく)
北口本宮冨士浅間神社の御師を務め、当時の宿坊の形態をそのまま残している。社家造りも珍しい。
- 静岡県富士山世界遺産センター
世界遺産「富士山」の歴史や文化、自然について、展示や映像を通して学べる施設
- 白糸ノ滝
高さ約20m・幅約150mの絶壁から富士山の雪解け水が大小数百の滝となって流れ落ち、幾筋もの絹糸を垂らしているような幻想的な世界を見せてくれます。国の名勝および天然記念物。
- 人穴富士講遺跡
11,000~8,000年ほど前の富士側火山の噴火、犬涼み山溶岩流で誕生した全長約83mの溶岩洞穴です。富士山が「信仰の対象」である価値を示す構成資産のひとつ。富士講の「長谷川角行」が修行し、苦行の末に入滅したとされる人穴風穴をはじめ、信者による約230基もの碑塔群が残存しています。
- 河口湖
富士五湖は、多くの芸術作品とゆかりが深い景勝地です。湖面に映える富士山は「逆さ富士」と呼ばれ、名所として有名です。富士山周辺の八つの湖沼を巡って修行する内八海巡りが多くの富士講信者によって行われました。山中湖は富士五湖の中でも最も長い湖岸線をもち、富士山を美しく映す場所が点在しています。
- 船津胎内樹型
かつて富士山が噴火した際、麓には溶岩が流れ下ってきました。溶岩は樹木をまるごと取り込んで固化すると、樹幹の燃えつきた跡が空洞化し洞穴(溶岩樹型)をつくりました。そして、内部の形態が人間の内臓をくり抜いたようで「御胎内」と呼ばれ、これが信仰者の対象となり、「胎内巡り」と称して洞内を巡るようになりました。17世紀の初頭、長谷川角行が富士登拝時に船津胎内樹型に含まれる溶岩樹型のうちの一部を発見し、その内部に浅間大神を祀ったといいます。
- 吉田胎内樹型よしだたいないじゅけい
樹木が重なり合って複雑な樹型をつくりました。その形から女性の胎内に例えられています。
- 忍野八海
忍野八海は、富士山の伏流水による八つの湧水地で、富士山信仰に関わる巡拝地として八海それぞれに八大竜王を祀っています。富士登拝を行う道者たちはこの水で穢れを祓いました。長谷川角行(はせがわかくぎょう)が行った富士八海修行になぞらえ「富士山根元八湖(ふじさんねもとはっこ)」と唱えられた古跡の霊場と伝えられ、1843年に富士講信者によって再興されたようです。
- 出口池:富士登山を目指す行者たちはこの水で穢れを祓い、この湧水を「清浄な霊水」と呼んだといいます。
- お釜池:忍野八海の中で最も小さな池。ガマガエルが娘を引きずり込んだという伝説から大蟇池ともいいます。
- 底抜池(そこなしいけ):昔、池に物を落とすと底を通り抜けお釜池に浮かび上がったので、底抜池になったといわれています。
- 銚子池:阿原川沿い脇の草地の中にしずかにある池。若い花嫁が身を投げたという伝説が残っています。
- 涌池(わくいけ):湧水量が豊富で、水深は4m。揺れ動く水面や深い水底の景観が美しい、忍野八海を代表する池です。
- 濁池(にごりいけ):昔、行者が一杯の水を求めたのを断った途端に池が濁ったというのが由来。実際は濁っていません。
- 鏡池:昔、部落内でもめごとが起きると、問題の双方が池水を浴びて身を清め、平穏を祈ったといいます。
- 菖蒲池:池では大きな菖蒲が生息し、伝説ではこの菖蒲を身体に巻くと病気が治るといわれています。
- 山中湖
富士五湖最大、富士山に一番近い湖
富士五湖は、多くの芸術作品とゆかりが深い景勝地です。湖面に映える富士山は「逆さ富士」と呼ばれ、名所として有名です。富士山周辺の八つの湖沼を巡って修行する内八海巡りが多くの富士講信者によって行われました。山中湖は富士五湖の中でも最も大きく、標高982mは富士山に最も近くで寄り添っています。
- 三保松原みほのまつばら
『万葉集』以降多くの和歌の題材となり、天女と漁師の交流を描いた『羽衣』の舞台にもなりました。