本文へスキップ

名所めぐりは過去に行ったことのある土地の紹介です。

どこへ行ったのか忘れてしまうので独遊庵の名所めぐり

桃太郎昔話

桃の実から生まれた男子「桃太郎」が、お爺さんお婆さんから黍団子をもらって、イヌ、サル、キジを家来にし、鬼ヶ島まで鬼を退治しに行く物語。

川に洗濯にでかけたおばあさんは、川上から流れてきた桃を家に持ち帰ります。
その桃を食べようと切ると中から元気な男の子が出てきました。おばあさんはその子に桃から生まれた桃太郎と名付けます。

桃太郎はすくすくと育ち、りっぱな青年になりました。ある日、鬼に金品を奪われ、困り果てる村人を見て、桃太郎は鬼退治に行くと言い出しました。
おばあさんとおじいさんは反対しますが、桃太郎の熱意についに折れ、きびだんごを作って送り出しました。
桃太郎 昔話
途中、犬・猿・雉に、鬼退治を手伝うかわりにきびだんごを欲しいといわれ、桃太郎は快くきびだんごをあげました。こうして、1人と3匹は鬼ヶ島に行き、村人たちの金品を取り戻したのでした。

桃太郎のお話のもととも云われる温羅退治の話
昔むかし、吉備のくに阿曽の里は、近くまで海であったそうな。
瀬戸内の海風に吹かれて人々はほっこりのんびり、幸せにくらしておった。
ある日、百済の国の王子「温羅」という、おそろしい者がやってきた。
ひげがぼうぼう、目は虎や狼のように輝き、身の丈は四メートルもある乱暴者。
足守川の西の新山に城をつくり、そばの岩屋に住み着いておった。

城の下を通りかかる船があれば、ことごとくこれを襲い、積み荷を奪い取るのは朝飯前。
女や子供、弱い人間と見れば、ことごとく連れ去り、城へ閉じこめていた。
あらがう人々を次々に釜ゆでにしたりと、やりたい放題。
里人たちは、時の朝廷に「助けてくだせえ。」とうったえた。
そしてキビツヒコが遣わされた。
「皆、案ずるではない。」キビツヒコはそう言って吉備の中山に陣を据えた。
そしてその西には石の楯を築いた。
かたや、温羅も待ちかまえ、ついに、たたかいがはじまった。
キビツヒコは岩に矢を置き、念ずると、びゅう、と放った。
温羅も矢を放つ。ひょう。
ばちん。
どちらの矢もはげしく、空中で火花を散らして当たり、お互いの陣の間に落ちてしまって、相手にとどかない。
なかなか勝負がつかない。
「そうじゃ。」キビツヒコは一計を案じ、二本の矢を同時に放った。
びゅ、びゅう。
温羅はそれとも知らず、それまでどおり一本の矢を放つ。
ひょうぅ。ばちん。
これまでと同じく、お互いの矢が一本ずつ当たり、地上に落ちる。
しかし、キビツヒコの放ったもう一本の矢は、見事、温羅の目に刺さった。
温羅の目からはたくさんの血が流れ出し、ひと筋の川となって流れ、下流の浜を真っ赤に染めた。

「これはかなわん。」温羅はキジにすがたをかえ、逃げることにした。
「まてっ。」それを見たキビツヒコは、タカとなり、追いかけた。
「こりゃいかん。」追いつかれると思った温羅は、今度は鯉となって血吸川に飛び込んだ。
ざぶん。すかさずキビツヒコも鵜にすがたを変え、川に飛び込んで追いかける。
「もうだめだ。」逃げても逃げても追いかけてくるキビツヒコに、温羅はとうとうあきらめた。
「観念せい。」
キビツヒコはついに温羅をくわえて捕まえ、その首をはねた。
きびつひこのみこと
「うおーん、うおーん」しかし、あろうことかその首は何年もほえ続け、人々をなやませた。
キビツヒコは家来のイヌカイタケルに命じて、犬にこの首を喰わせようとしたが、それでもまだ、首はほえ続けた。

ある夜のこと、キビツヒコの夢に温羅があらわれ、こう言った。
「私の妻、阿曽媛に御竈殿の火を炊かせよ。
釜は幸福が訪れるなら豊かに鳴りひびき、わざわいが訪れるなら、荒々しく鳴るだろう。」
それから、御竈殿では毎年、その年が良い年かどうかを占うことになったという。

キビツヒコは、吉備の中山のふもとにかやぶきの宮を建て、二百八十一歳の長寿をまっとうした。
その脇には艮御崎となって、温羅も封じ込められておるんじゃ。
こうして、阿曽の里は平和を取り戻し、里人たちは元のように幸せに暮らした。
今、その吉備の中山のふもとには、吉備津神社が建てられ、キビツヒコがまつられておる。

関連