日本の仏教大きく分けて13の宗派、56派
6世紀に
大乗仏教が伝来して以来、日本の社会・文化・政治と深く結びつきながら独自に発展した宗教体系で、現在は「伝統仏教13宗」を中心に多様な宗派が共存する構造を持っています。
奈良の学問仏教 → 平安の密教 → 鎌倉の民衆仏教という三段階の流れが、日本仏教の骨格を形づくりました。
•
大乗仏教が中国・朝鮮を経て日本へ(538年または552年)
•
聖徳太子が国家的に仏教を推進し、思想的基礎を整える
• 奈良時代:
南都六宗(学問中心):
三論宗・
成実宗・
法相宗・
倶舎宗・
華厳宗・
律宗
• 平安時代:
天台宗・
真言宗(密教・総合仏教):
天台宗(
最澄)
法華経中心、
真言宗(
空海)
大日如来を中心とする密教
• 鎌倉時代:浄土・禅・日蓮(民衆救済の宗派が成立):
浄土宗、
浄土真宗、
臨済宗、
曹洞宗、
日蓮宗、
時宗
• 現代の寺院は約 7万5千寺、仏像は 30万体以上
禅宗(ぜんしゅう)は、座禅(修行)を通じて自身の内面と向き合い、釈迦の悟りを直接体得することを目指す仏教の宗派です。経典や儀式よりも「坐禅(禅定)」を重視し、達磨(だるま)を初祖とします。日本では主に
臨済宗・
曹洞宗・
黄檗宗の3つが知られ、鎌倉時代以降、武士や庶民の間に広まりました。
念仏宗(ねんぶつしゅう)は、主に「
南無阿弥陀仏」と念仏を唱えることで極楽浄土への往生を目指す仏教の宗旨・教団の総称です。一般的には平安時代末期に良忍が興した「
融通念仏宗」を指すことが多いですが、
法然の
浄土宗や
親鸞の
浄土真宗も含まれます。また、現代の新しい教団である「念佛宗三寶山無量壽寺」を指す場合もあります。
仏教の主な年間行事(宗派によって異なる)
- 修正会(しゅしょうえ)(1月1日頃):新年を祝い、平和や家族円満を願う法要。前年の反省と新年の平安を祈願します。
- 涅槃会(ねはんえ)(2月15日頃):お釈迦様が亡くなった日(入滅)を偲び、遺徳を称える法要。
- 節分会(せつぶんえ):季節の節目である「節分」に行われる行事で、本来は年4回あるものですが、一般的には旧暦の春の節分(2月3日頃)を指し、豆まきなどが行われます。
- 家庭での節分行事
- 豆まき:「鬼は外、福は内」と言いながら煎り大豆などの豆をまき、邪気を追い払います。
- 豆を食べること:自分の年齢と同じ数だけ豆を食べる(地域によっては年齢から1つ引いた数)、または年齢より1つ多く食べることで、病気をしないように願います。
- 恵方巻きを食べる:その年の恵方を向いて、しゃべらずに丸かじりすると願い事が叶うと言われています。
- 地域ごとの食べ物:節分に食べられるものには地域差があり、たとえば西日本ではイワシを焼いて飾ったり食べたりする風習、四国ではこんにゃくを食べる風習などがあります。
- 花祭り(灌仏会、仏生会)(4月8日頃):お釈迦様の誕生日を祝う行事で、仏様の誕生を喜び祝います。花で飾られた「花御堂(はなみどう)」の中に誕生仏を安置し、甘茶をかけてお祝いします。
- お盆(盂蘭盆会)(7月または8月):ご先祖様を迎えて供養する大切な仏教行事です。新盆(にいぼん)と呼ばれる、故人が亡くなってから最初のお盆は特に手厚く供養されます。
- お墓・仏壇の掃除:お盆の初めに、先祖の霊が迷わず帰ってこられるよう、お墓や仏壇をきれいに掃除します。
- 盆棚(ぼんだな)の準備:仏壇の前に祭壇(盆棚)を設け、きゅうりで作った牛(迎え馬)やなすで作った馬(送り牛)、お盆飾り、お盆提灯などを飾ります。
- 迎え火(むかえび)を焚く:お盆の初日(迎え盆)の夕方、玄関先や墓前で「おがら」と呼ばれる麻の茎を燃やし、迎え火を焚きます。これはご先祖様が迷わず家に帰ってこられるように道案内をするという意味があります。
- 法要・供養:お盆中には、親戚一同で集まって食事をしたり、僧侶を呼んで読経(法要)をしてもらったりする。
- 供え物をする:仏様が喜びそうな果物、菓子折り、お茶、ご飯などをお供えします。
- 送り火(おくりび)を焚く:お盆の最終日(送り盆)の夕方から夜にかけて送り火を焚き、ご先祖様を次の世へお見送りします。地域によっては、精霊船や灯籠を流す精霊流しや灯籠流しを行う場合もあります。
- 施餓鬼会(せがきえ):お盆の時期や、その前後に行われることが多い。 餓鬼道で苦しむ無縁仏に施しをする法要です。ご先祖さまの供養とあわせて行われます。
- 彼岸(ひがん)とは、春分・秋分の日を中日(ちゅうにち)とする前後3日間、合計7日間にわたる仏教行事です。仏のいる悟りの世界「彼岸」と、迷いの現世「此岸(しがん)」が近づく時期とされ、ご先祖様を供養し、感謝を伝える日として墓参りや仏壇の掃除が行われます。
時期: 年に2回あります。
春彼岸: 春分の日(3月21日頃)を中日とする前後3日間(計7日間)。
秋彼岸: 秋分の日(9月23日頃)を中日とする前後3日間(計7日間)。
意味:
彼岸(あっち側): 煩悩の無い、悟りの世界(極楽浄土)。
此岸(こっち側): 私たちが生きる、煩悩にまみれた世界。
太陽が真東から昇り、真西に沈む春分・秋分は、此岸から彼岸へ最も渡りやすい(思いが通じやすい)日と考えられています。
由来: サンスクリット語の「パーラミター(波羅蜜多=到彼岸、悟りの境地に到達する)」が語源とされる、日本独自の仏教習慣です。
彼岸の時期にすること
お墓参り・仏壇の供養: ご先祖様へ感謝を伝え、供養を行います。
お供え物:
春の彼岸: ボタンの花にちなんで「ぼたもち」。
秋の彼岸: ハギの花にちなんで「おはぎ」。
仏壇・墓の掃除: 清らかな心で先祖を迎える準備をします。
本来は自身の煩悩を取り除き、修行する期間でもありますが、現代ではご先祖様を供養する期間として親しまれています。
- 彼岸会(ひがんえ)(春分・秋分の日頃):春分の日と秋分の日を中日とする7日間を指し、ご先祖様や自然に感謝し、供養を行う仏教行事です。仏教の教えでは、悟りの境地を「彼岸」、迷いの世界を「此岸(しがん)」と呼びます。太陽が真東から昇り真西に沈むこの時期は、彼岸と此岸が最も通じやすいと考えられ、先祖を供養します。先祖供養」と「六波羅蜜」(この世に居ながらにして彼岸に至るための6つの修行のことの実践)
- 布施(ふせ)波羅蜜:見返りを求めず、他人のために惜しみなく善行を施すこと
- 持戒(じかい)波羅蜜:戒律を守り、身を慎み、他人に迷惑をかけないこと
- 忍辱(にんにく)波羅蜜:身に起こる災いを受け容れ、耐えしのぶこと
- 精進(しょうじん)波羅蜜:誠心誠意努力を続けること
- 禅定(ぜんじょう)波羅蜜:常に静かな心を持ち、動揺しないこと
- 智慧(ちえ)波羅蜜:怒りや愚痴、貪りに捉われず、物事の真理を正しく見極めること
- お供え物について
お彼岸のお供え物といえば、春彼岸のぼた餅、秋彼岸のおはぎが有名です。
それぞれ春の花である牡丹(ぼたん)、秋の花である萩にちなんだものです。
一般的にぼた餅はこし餡、おはぎはつぶ餡で作ります。
秋に収穫される小豆は、春になると皮が固くなって食べづらいので、春のぼた餅にはこし餡を使うのだとか。
- お供えののし紙と表書きについて
親戚や知人など別世帯にお彼岸のお供えを持っていく際にはのし紙をつけます。
西日本では黄白、東日本では黒白の水引き(結び切り)を用いることが多いようです。
表書きは「御供」または「御仏前」。水引きの下に自身の名前をフルネームで書きます。
- 成道会(じょうどうえ)(12月8日頃):お釈迦様が悟りを開いた日を祝う法要です。
- 除夜の鐘(除夜会)(12月31日):大晦日の夜、一年を振り返り内省し、108つあるとされる人間の煩悩を払い、穏やかな気持ちで新年を迎えるために、深夜に鐘をつきます。
- 仏壇にお参り:まず扉を開けてお供え物をし、仏壇の前で一礼します。線香に火をつけ、合掌して手を合わせ、読経または念仏を唱えた後、ろうそくの火を消し、再度一礼して下がります。宗派によって作法が異なる場合があるため、不明な点があれば菩提寺や仏具店に相談しましょう。
- ろうそくに火を灯す
仏様の「智慧の光」を意味するろうそくに火を灯します。息を吹きかけて消すのはマナー違反なので、専用の火消しを使うか、手で仰いで消します。
- 線香に火をつける:線香に火をつけ、香炉に立てます。ろうそくに火をつけ、そこから線香に移すこともあります。線香を立てる本数や方法は宗派によって違いがあるため、不明な場合は1本立てれば問題ありません。(宗派の正式な線香の本数は、天台宗は3本、真言宗は3本、浄土宗は1本、曹洞宗は1本、臨済宗は1本、日蓮宗は1本です。 浄土真宗本願寺派と真宗大谷派は、適当な長さに折って寝かせます。)
- りんを鳴らす
宗派によって回数は異なりますが、一般的には2回、または1回鳴らします。読経をしない場合は鳴らさない宗派もあります。
- 仏壇に座る際は、にじり寄るように座布団に上がるのが作法です。
- 弔問先での参り方
他家で仏壇にお参りする際は、座布団が用意されていても直接座らずに手前で一礼してからお参りします。また、お参りの後、遺族にも一礼するのが丁寧な作法です。
- お墓参り:お彼岸やお盆、祥月命日など、ご先祖様を供養するための定期的な行事です。墓石周りを掃除し、水、お花、お線香、ろうそく、お供え物(五供ごく・ごくう)を供えます。その後、ろうそくに火を灯して線香に火を移し、水鉢に水を入れ、墓石に水をかけて清めます。そして、合掌して故人の冥福を祈り、近況を報告したり感謝の気持ちを伝えたりします。最後に、お供え物を持ち帰り、墓石周りを片付けて帰ります。
- 五供(ごく・ごくう)
- 浄水(水):墓石の水鉢に新鮮な水を入れます。:清らかな水を供えることで、仏様の慈悲や清浄さを表します。
- 花・仏花:清らかで美しい花、故人の好んだ花、または仏花を選びましょう。派手な色の花、トゲや毒のある花は避けるのが原則。彩りを添え、供える人の感謝の気持ちを形に表します。
- 香(お線香):場の穢れを清め、心身を清浄にする役割があります。また、仏様へのご飯としての意味合いも持ちます。
- 灯燭(ろうそく):煩悩を消し、明るく照らす光の象徴です。闇を照らす「仏様の智慧」の象徴です。暗闇を取り去ることで、迷いや苦しみの解決へ導いてくれる仏の教えを表します。
- 飲食(食べ物):ご先祖様や故人に食事を分かち合うという、感謝の気持ちを表す供養の形です。故人の好物や季節の食べ物など、普段食べているものをお供えします。お供え物は持ち帰る。
- 大乗仏教(だいじょうぶっきょう)とは、紀元前後にインドで興った、すべての衆生(人々)を救済することを目指す広大な仏教の潮流です。自己の解脱(げだつ)のみを追求する「小乗仏教(部派仏教)」に対し、自他ともに悟りを目指す「菩薩(ぼさつ)」の精神を重視し、日本や中国など北伝仏教として広まりました。
- 南都六宗(なんとりくしゅう)とは、奈良時代(平城京)に国家の保護下で栄えた、三論宗、成実宗、法相宗、倶舎宗、華厳宗、律宗の6つの仏教宗派(学派)の総称です。聖武天皇の鎮護国家政策のもと、学問的研究が中心で、東大寺や興福寺、薬師寺など、当時の南都(奈良)の主要な寺院で研究されていました。
- 三論宗(さんろんしゅう)は、インドの龍樹(ナーガールジュナ)が説いた「空(くう)」の思想(中観思想)を基盤とする大乗仏教の宗派です。『中論』『十二門論』『百論』の三つの論書を所依とするためこの名があり、有(存在)と無(虚無)の両極端に執着しない「中道」を説くのが特徴です。中国で大成され、日本へは奈良時代に伝わり、南都六宗の一つとして栄えました。
- 成実宗(じょうじつしゅう)は、訶梨跋摩[かりばつま]の『成実論』を研究する、奈良時代に伝わった日本の南都六宗の1つです。人法二空(我も法も空)を説き、三論宗の付宗(付属宗派)として学ばれました。独立した教団を持たず、学問的教学として研究されていました。
- 倶舎宗(くしゃしゅう)は、インドの論師・世親(ヴァスバンドゥ)が著した『阿毘達磨倶舎論』を根本聖典として研究・講義する、南都六宗の一つに数えられる学派です。小乗仏教(部派仏教)の教理を専門とし、日本では主に法相宗(ほうそうしゅう)に附随して学ばれる「寓宗(ぐうしゅう)」でした。
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