親指ほどの大きさの一寸法師が、都に出て武士になり、鬼を退治する物語。小さな体でも勇気と知恵で活躍する姿が描かれています。
むかしむかし、ある所に子供のいないおじいさんとおばあさんが住んでおりました。ある日のこと、二人は一寸(約3.03cm)の小さな赤ん坊を拾い、「一寸法師」と名付けて育てることにしました。
一寸法師は賢く親孝行な子でしたが、いつまでたっても大きくなりませんでした。
一寸法師は十五歳頃になった時、広い世の中を見るために都へ出たいと言い出しました。おじいさんもおばあさんも心配でしたが、一寸法師の決心は固く、縫い針の刀と麦藁の鞘を持ち、お椀の舟に箸の櫂で川を下って、都へ旅立ちました。

一寸法師は一所懸命櫂をこぎ続け、ようやく都へ辿り着きました。そうして、都で一番立派な屋敷に行き、屋敷の主人に雇ってくれと頼んだのでした。屋敷の主人は小さい体に大きな志を持った一寸法師に感心して、姫様の家来として雇うことにしたそうです。
何年かたったある日、一寸法師は姫様のお伴をして観音様にお参りに行きました。その帰り道のこと、薄暗く人気のない道で突然二匹の鬼が現れ、姫様を攫って行こうとしたのです。一寸法師は刀を抜いて立ち向かいましたが、鬼は小さな一寸法師を馬鹿にして、一口で飲みこんでしまいました。
すると一寸法師は鬼のお腹の中で暴れまわり、たちまち鬼を降参させてしまいました。そして、一寸法師は鬼のお腹から飛び出すと、もう一匹の鬼の目を刀で突き刺して、これもたちまち降参させてしまいました。鬼どもはすっかり恐れ入って、なんでも願いの叶う「打ち出の小槌」という宝物を置いて逃げて行きました。
その後、一寸法師は打ち出の小槌を使って大きく立派な体になり、望まれて姫様の婿になりました。そうして故郷のおじいさんとおばあさんを都に迎えて、一生幸せに暮らしたということです。
一寸法師の主な関連地
は、大阪府の住吉大社とその周辺、そして京都です。住吉大社は、一寸法師が生まれた場所であり、都へ旅立つ出発点とされています。京都では、一寸法師が打ち出の小槌を手に入れた場所や、物語の舞台となった場所として、いくつかの場所が関連地として挙げられます。
住吉大社(大阪府):
一寸法師が生まれた場所であり、都へ向かうために出発した場所とされています。境内にある 種貸社は子宝を授かる神として信仰されています。
住吉の浦(大阪府):
住吉大社付近の、かつて海岸だった場所です。一寸法師がお椀の船で旅立った場所として伝えられています。
武信稲荷神社(京都市):
一寸法師が打ち出の小槌を手に入れた場所とされています。坂本龍馬とお龍も訪れた場所として知られています。
道頓堀川(大阪市):
一寸法師が道頓堀川からお椀に乗って出発したという伝説があります。
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