貧しい人が最初に手にしたわら(藁)を、物々交換を通じて最終的に大金持ちになるという物語
『今昔物語集』および『宇治拾遺物語』に原話が見られる。舞台は奈良県桜井市初瀬の
長谷寺と伝わる。
何をやっても上手くいかない貧しい男が、運を授けて欲しいと観音さまに願掛けをする。すると観音さまが現れ、お堂を出た時に初めて手にした物を大切にして西へ行くようにと言われる。

男はお堂を出たとたん転んで一本の藁を手にする。それを持って西へ歩いていくとアブが飛んできたので、藁でしばって歩き続けた。泣きじゃくる赤ん坊がいたので、藁につけたアブをあげた。すると母親がお礼にと蜜柑をくれた。
木の下で休んで蜜柑を食べようとすると、お金持ちのお嬢様が水を欲しがって苦しんでいた。そこで蜜柑を渡すと、代わりに上等な絹の反物をくれた。男は上機嫌に歩いていると倒れた馬と荷物を取り替えようと言われ、死にかけの馬を強引に引き取らされてしまった。やさしい男は懸命に馬を介抱し、その甲斐あって馬は元気になった。
馬を連れて城下町まで行くと、馬を気に入った長者が千両で買うと言う。余りの金額に驚いて失神した男を、長者の娘が介抱するが、それは以前蜜柑をあげた娘だった。長者は男に娘を嫁に貰ってくれと言い、男は藁一本から近在近郷に知らぬ者のない大長者になった。
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